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Medical Literature Abstract
pp.60-62
発行日 1952年1月1日
Published Date 1952/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200253
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Poliomyelitis. IV. a study of the Midbrain.
H. A. MATZKE & A. B. BAKER
Archiv. Neur. & Psychiat., Vol. 65, 1951.
著者は1946-49年の間にMinnesotaで死亡した延髄型小兒麻痺(bulbar poliomyelitis)111例の中腦を連續標本によつて病理組織學的にしらべた(延髄の病變,同誌,1950,の續報)殆ど全例で中腦に病變を認めたが,特に強く侵されたのはIII.腦神經核と被蓋核と黑質とであり,四丘體と赤核とは傷害をうけなかつた。病的變化け間質性細胞反應と神經細胞傷害とに分けられる。
黑質では全症例の40%に間質性反應があり,31%に明瞭な神經細胞變性(Nissl顆粒の溶解,喰細胞,細胞核の偏位,細胞體の斷裂)が見られた。神經細胞の變性は焦點的に起り,間質性反應Rの強いところでは神經細胞の變性も強かつた。變性した神經細胞は黑質全細胞の10%を超えない程度であつたが,20%を超える例もかなりあつた。1例では75%に及んだ。III.腦神經核では間質性反應は輕いが,全症例の37%に強度(少くとも,全細胞の50%程度)の神經細胞變性を認めた。中腦被蓋核については,著者はこれを中腦下部にのみ存在する被蓋背側核及び腹側核と,中腦全長に存在する外側核とに區分するが,これらは中腦の他のどの部分よりも頻回に侵され外側核は全症例の44%に,背側核は22%に,腹側核には11%おいて,いずれも強度の細胞變性を見た。
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