Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
多発性転移性脳腫瘍と鑑別を要したamyloid angiopathyの1例
A Case of Amyloid Angiopathy Mimicking Multiple Metastatic Tumors
加藤 正仁
1
,
会田 敏光
1
,
今村 博幸
1
,
青樹 毅
1
,
浅岡 克行
1
,
上村 春奈
1
,
高野 和哉
1
,
竹井 秀敏
2
,
寺江 聡
3
1北海道脳神経外科記念病院脳神経外科
2北海道脳神経外科記念病院放射線科
3北海道大学医学部放射線科
pp.430-431
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100286
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症 例 77歳,男性
経過および画像所見(1) 2003年7月24日,めまいとふらつきを主訴に近医を受診した。CTで異常を指摘され,同日当院紹介となった。
初診時,神経学的には特に問題はなかったが,MRIで右側頭後頭部,右後頭葉,左側頭葉内にT1,T2,FLAIRの全てで高信号を示す小さなmassが合計3個認められた(図1)。3つともほとんど増強効果を認めず,出血と考えられたが,特に右側頭後頭部のmassは他の2病変よりも新しいと思われ,同日当院入院の上,保存的に加療した。77歳男性の脳内に認められた複数の小病変であり,転移性脳腫瘍の可能性も考慮し,出血の経過観察と並行して原発巣の検索を行ったが,原発巣と思われる所見は見当たらなかった。
Biopsyも考えたが,まず内科的な全身検索を徹底すべきと考え,総合病院を紹介した。
経過および画像所見(2) 内科的な全身検索では,原発巣は認められなかった。9月19日(約2カ月後)のMRIでは,病変のenhancementは消失し,全ての病変が,T1,T2,FLAIRの全てで低信号を示していた(図2)。
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