Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
延髄内側梗塞における3D-fast advanced spin echoおよび造影MRAの有用性
MR Images of Medial Medullary Infarction Using 3D-fast Advanced Spin Echo and Enhanced-MRA
木下 良正
1
,
安河内 秀興
1
,
津留 英智
1
Yoshimasa Kinoshita
1
,
Hideoki Yasukouchi
1
,
Eichi Tsuru
1
1宗像水光会総合病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Munakata Suikokai General Hospital
pp.168-169
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100137
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症 例 74歳,男性
3年前冠動脈バイパス手術を受け,ワーファリンを内服中であったが2週間前から外科的処置のため中止となっていた。2003年5月31日,急に嘔吐,共同偏視が出現し救急搬入となった。意識は清明,右共同偏視,左注視麻痺,構音障害,右上肢の感覚障害を認めたが上下肢に運動麻痺は認めなかった。緊急で行ったMRI拡散強調画像で上部延髄に新鮮小梗塞を認め,脳幹梗塞の診断で入院させ保存的加療を行った。発症1カ月目の通常のMR angiography(MRA)(A)では脳底動脈の描出が不良であったが,造影MRA(B)では左椎骨動脈から脳底動脈下部に器質化血栓や遅い血流の造影を認めた。3D-fast advanced spin echo(3D-FASE)再構成冠状断反転画像で上部延髄の詳細な脳梗塞の範囲の描出が可能で(C,矢頭),この3D-FASE反転画像からpartial MIPにより脳槽画像(D)を作成し合成すると左脳底動脈と梗塞巣が一致していた(E,矢頭)。造影MRA(B)と再構成画像(C)を合成すると,前脊髄動脈の閉塞はなく,椎骨動脈からの穿通枝の梗塞であった(F)。保存的に加療し共同偏視は改善,軽度の表在感覚障害を残して退院した。
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