Japanese
English
総説
睡眠障害と睡眠関連疾患―その診断と治療の方法論
Sleep Disturbance and Sleep Disorders : The Methodology of Diagnosis and Treatment
立花 直子
1
Naoko Tachibana
1
1大阪府立健康科学センター
1Osaka Medical Center for Health Science and Promotion
キーワード:
sleep
,
sleep medicine
,
polysomnography
,
sleep disorders center
,
American Academy of Sleep Medicine
Keyword:
sleep
,
sleep medicine
,
polysomnography
,
sleep disorders center
,
American Academy of Sleep Medicine
pp.291-299
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100034
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はじめに
睡眠は人生の3分の1の時間を占めているにもかかわらず,これまでの医療において,また日常生活においても,「眠気は気合いで乗り越えるもの」「眠れないで死んだ人はいない」と,軽視されてきた。実際には,睡眠は生命維持のためにも,覚醒時の精神・身体機能を良好に保つためにも,脳の発達や記憶の処理のためにも重要な役割を担っているが,睡眠のメカニズムの全貌は未だそのすべてが明らかにされているとは言い難く,その複雑さも相まってどのように実際の医療の中で扱っていくべきか,手探り状態であると言えよう。近年,少なくとも米国においては,睡眠に関する問題全般を扱う医学の一分野として睡眠医学が徐々に認知されてきているが,日本では,これまでの伝統的な医学の分野(例:精神医学,呼吸器内科学,耳鼻咽喉科学など)において,一部の医師が,その分野に関係する睡眠関連疾患を診療しているのが現状である17)。したがって,本稿では睡眠関連疾患を診断し,治療に結びつけるための方法論についてまとめ,読者がどういうレベルで睡眠関連疾患に取り組むことができるかを考えるための助けになることを目標とした。
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