Japanese
English
短報
暴力を伴う精神分裂病の強迫症状に対するClomipramineの効果について
Effectiveness of Clomipramine for Obsessive Compulsive Symptoms and Violence in Schizophrenia
須田 潔子
1
,
林 直樹
2
Kiyoko SUDA
1
,
Naoki HAYASHI
2
1東京都立松沢病院精神科
2東京都精神医学総合研究所精神病理学部門
1Department of Psychiatry, Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Department of Psychopathology, Tokyo Institute of Psychiatry
キーワード:
Clomipramine
,
CMI
,
Obsessivecompulsive symptoms
,
Violence
,
Involvement of others
Keyword:
Clomipramine
,
CMI
,
Obsessivecompulsive symptoms
,
Violence
,
Involvement of others
pp.751-753
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905063
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
精神分裂病の部分症状として,しばしば治療困難かつ予後不良な強迫症状が出現することが古くから知られている4)。その中に,強迫症状の完結のために他者を巻き込み,思い通りにならないと他者に激しい暴力を繰り返す「他者巻き込み型」と記述される症例が存在する7)。その執拗さと暴力のために,患者は身近な対人関係に破綻を来し,病棟生活においてすら周囲は対応に苦慮することが少なくない。今回我々は,抗精神病薬による維持療法に加えて,clomipramine(以下CMI)の追加投与により,精神分裂病の強迫症状およびそれに由来すると考えられる激しい暴力行為を改善させることができた2症例を経験したので,ここに報告する。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.