Japanese
English
研究と報告
精神障害における暴力の原因とその予防法について—英国における1精神分裂病症例を通じて
The Cause and Prevention of Violence in Mental Disorders: through the schizophrenic case in the U.K.
堀 彰
1
Akira HORI
1
1国立精神・神経センター武蔵病院精神科
1Department of Psychiatry, National Center Hospital for Mental, Nervous and Muscular Disorders
キーワード:
Case study
,
Schizophrenia
,
Violence
,
Conditional discharge
Keyword:
Case study
,
Schizophrenia
,
Violence
,
Conditional discharge
pp.77-81
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904472
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【抄録】英国における精神分裂病症例を通じて,精神障害における暴力の原因とその予防法について検討し以下の結果を得た。(1)本症例の犯罪は精神分裂病の発病後に,傷害や放火というより激しいものになったと考えられた。また,患者の激しい暴力行為は発病直後,その後は再発時に起こった。さらに,患者の暴力行為は幻聴や妄想という精神病症状の結果と考えられた。(2)効果的な薬物療法(clozapine)と条件づき退院での指示・管理の両者が,再発と暴力行為の予防に対して重要な役割を果たしたと考えられた。(3)以上の結果について,最近の精神分裂病と暴力に関する実証的な研究,英国における予後調査の結果に基づいて考察した。
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