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English
短報
インターフェロン投与でうつ状態と脳波異常を呈した慢性C型肝炎の1症例—アミトリプチリンによる治療効果
Depressive State and EEG Abnormality Induced by Interferon, and their Improvement by Amitriptyline in a Patient with Chronic Type C Hepatitis
鎌田 光宏
1
,
樋口 久
1
,
山田 暢夫
2
,
菱川 泰夫
1
Mitsuhiro KAMATA
1
,
Hisashi HIGUCHI
1
,
Nobuo YAMADA
2
,
Yasuo HISHIKAWA
1
1秋田大学医学部精神科学教室
2厚生連由利組合総合病院消化器内科
1Department of Neuropsychiatry, Akita University School of Medicine
2Department of Internal Medicine, Yurikumiai General Hospital
キーワード:
Chronic type C hepatitis
,
Interferon
,
Depressive state
,
Electroencephalography
,
Amitriptyline
Keyword:
Chronic type C hepatitis
,
Interferon
,
Depressive state
,
Electroencephalography
,
Amitriptyline
pp.313-315
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905007
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近年,C型肝炎の治療法として,インターフェロン(IFN)が広く用いられてきており,その副作用として心筋症,自己免疫疾患の悪化などがみられることがあり4),時には精神・神経系の副作用として,うつ状態,せん妄,幻覚・妄想状態,躁状態が発現することが報告されている6,8,9)。悪性腫瘍に対する使用の際には,脳波異常がみられたことも報告されており6,7),IFNが中枢神経系に及ぼす作用が注目されている。しかし,慢性C型肝炎での使用中に精神症状が発現した症例において脳波を経時的に観察した報告は少なく,また,IFN投与中に精神病治療薬などの薬剤が脳波に及ぼす影響を検討した報告はみられていない。
今回,我々はIFN投与により,うつ状態と脳波異常を同時に呈した症例に対し,抗うつ薬であるamitriptylineを投与したところ,うつ状態と脳波異常が共に改善し,その経時的変化をみることができたので,ここに報告する。
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