Japanese
English
短報
C型慢性活動性肝炎でインターフェロン治療中にパーキンソン症状を呈したアルコール依存症の1例
A Case of Alcohol Dependence with Parkinsonism during the Interferon Treatment for Chronic Active Hepatitis Type C
鈴木 裕樹
1,3
,
宍戸 壽明
1
,
阿部 浩之
1
,
白潟 稔
1
,
堀越 立
1
,
星野 修三
2
,
穴沢 卯三郎
2
,
丹羽 真一
1
Hiroki SUZUKI
1,3
,
Toshiaki SHISHIDO
1
,
Hiroyuki ABE
1
,
Minoru SHIRAGATA
1
,
Ryu HORIKOSHI
1
,
Syuzou HOSHINO
2
,
Usaburou ANAZAWA
2
,
Shin-Ichi NIWA
1
1福島県立医科大学神経精神科
2竹田綜合病院精神科
3いわき市立常盤病院神経科
1Department of Neuropsychiatry, Fukushima Medical College
2Department of Psychiatry, Takeda General Hospital
3Department of Neuropsychiatry, Jouban Hospital
キーワード:
Alcohol dependence
,
Parkinsonism
,
Interferon
,
Chronic active hepatitis type C
Keyword:
Alcohol dependence
,
Parkinsonism
,
Interferon
,
Chronic active hepatitis type C
pp.523-525
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903876
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近年,B型慢性肝炎やC型慢性肝炎にインターフェロン製剤(IFN)が投与され,すでにその効果は確認されている。しかし,IFNは著効例がみられる反面,種々の副作用が出現することが知られている1,3〜6,8,10〜12)。その中で,中枢神経系の副作用としては,意識障害,知能低下,傾眠,精神錯乱,知覚異常,見当識障害,幻覚,不安,抑うつなどが報告されている1,7,8,11,12)。
今回我々は,抗精神病薬を服用しているアルコール依存症者で,C型慢性活動性肝炎の治療のためIFNの投与を受けたところ,パーキンソン症状が出現した1例を経験した。慢性肝炎の治療のためにIFNを投与してパーキンソン症状が出現したという報告はまだ少ない。アルコール依存症者は肝障害を合併することが多く,C型肝炎ウイルス(HCV)マーカー陽性の肝障害に罹患すると病状の悪化の速度が速く,予後が悪いことが報告されており9),IFN治療の適応となる患者が多いことが推測される。このため,若干の考察を加えて報告する。
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