Japanese
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短報
腎透析時の著しいイライラ感にclonazepamが奏効した精神分裂病の1例
A Case Study of a Schizophrenic Patient Successfully Treated with Clonazepam for Severe Agitation during Hemodialysis
上原 徹
1
,
横山 知行
1
,
櫻井 浩治
2
,
斉藤 隆夫
3
,
伊藤 陽
1
,
稲月 原
1
,
細木 俊宏
1
Toru UEHARA
1
,
Tomoyuki YOKOYAMA
1
,
Kouji SAKURAI
2
,
Takao SAITOH
3
,
Noboru ITOH
1
,
Gen INAZUKI
1
,
Toshihiro HOSOKI
1
1新潟大学医学部精神医学教室
2新潟大学附属医療技術短期大学
3新潟大学医学部第2内科
1Department of Psychiatry, Niigata University School of Medicine
2College of Biomedical Technology, Niigata University
3Department of Second Internal Medicine, Niigata University School of Medicine
キーワード:
Irritable syndrome
,
Hemodialysis
,
Clonazepam
,
Schizophrenia
Keyword:
Irritable syndrome
,
Hemodialysis
,
Clonazepam
,
Schizophrenia
pp.309-311
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905006
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腎透析が我が国に導入されて20余年が経過し,今日では約12万人の腎不全患者がこの治療法を受けている。腎透析の普及に伴い,腎不全に陥った精神分裂病患者に対して本治療法を行う機会も増加している。一般に透析を導入した際に生じる精神症状としては,透析自体が惹起する身体生物学的変化や,心理社会学的ストレスに反応した精神症状である可能性を考慮しなければならない。しかし,分裂病患者においては,透析という直接的な負荷状況に対しての分裂病症状の悪化,透析による薬物動態の変化のために生じる抗精神病薬の副作用の増強なども念頭に置きながら治療を行っていく必要がある。
今回我々は,透析開始時より著しいイライラ感を生じ,透析継続が困難になった精神分裂病患者を経験した。本症例のイライラ感には抗パーキンソン薬の増量,抗精神病薬の増量,diazepamの投与などはほとんど効果がなく,clonazepamの投与が著効を示した。
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