Japanese
English
研究と報告
未治療分裂病患者の臨床経過と脳波基礎活動
Computerized EEG and Clinical Course in Untreated Schizophrenic Patients
宮内 利郎
1
,
石井 みゆき
1
,
遠藤 青磁
1
,
梶原 智
1
,
萩元 浩
1
,
富岡 理恵
1
,
田中 謙吉
1
,
遠藤 桂子
1
,
岸本 英爾
1
Toshiro MIYAUCHI
1
,
Miyuki ISHII
1
,
Seiji ENDO
1
,
Satoshi KAJIWARA
1
,
Hiroshi HAGIMOTO
1
,
Rie TOMIOKA
1
,
Kenkichi TANAKA
1
,
Keiko ENDO
1
,
Hideji KISHIMOTO
1
1横浜市立大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Schizophrenia
,
Clinical course
,
Background activity of EEG
,
EEG topography
,
Neuroleptic treatment
Keyword:
Schizophrenia
,
Clinical course
,
Background activity of EEG
,
EEG topography
,
Neuroleptic treatment
pp.265-273
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904999
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【抄録】 精神分裂病患者21例の未治療時,寛解時および健康正常人30例を対象に脳波基礎活動のパワーをlog変換,脳波トポグラフィーおよびt-検定有意差マップを作成し検討した。各周波数帯域別にみると,分裂病の未治療時,寛解時および対照群ともほぼ類似の脳波トポグラフィー分布を示したが,未治療時では対照群に比較してδ波は左中心部,β1波は後半部に多く,逆にα2波は前半部に有意に少なかった。寛解時では,α2波は右半球中心に有意に少なかったが,他の帯域では有意差を認めなかった。また未治療時と寛解時の比較では,未治療時にδ,α1,β1,β2波が多く,θ,α2波が少ない傾向があった。以上の結果を文献的に考察し,未治療分裂病者にδ波が多い結果は左半球の機能障害,またβ1波が多いことは精神症状の反映であると同時に状態像の指標となりうる可能性を示唆していると考えた。
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