Japanese
English
特集 児童精神科医療の課題
私立精神病院における児童精神科医療の現状と課題
The Present Condition of Child-psychiatry from Private Mental Hospital
竹内 知夫
1
,
朝倉 新
1
,
加藤 由紀子
1
Tomoo TAKEUCHI
1
,
Arata ASAKURA
1
,
Yukiko KATO
1
1愛光病院
1Aiko Hospital
キーワード:
Treatment of child psychiatry
,
Private mental hospital
,
Puberty ward
Keyword:
Treatment of child psychiatry
,
Private mental hospital
,
Puberty ward
pp.1285-1290
発行日 1999年12月15日
Published Date 1999/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904890
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はじめに
最近の子どもを取り巻く環境の変化の目まぐるしさに伴い,児童・思春期の心の問題がクローズアップされてきており,精神科領域においても児童・思春期症例に対する対応が苦慮されている。学校ではスクールカウンセラーの導入が試みられ,各地で親や教師を対象とした講演会が盛んに開催されている。
子どもたちをめぐる精神科的問題も増加しており,不登校,家庭内暴力,拒食症,心身症など枚挙にいとまないくらいである。この際問題となることは,これらの状態に直面した時,直ちに対応できる児童精神科医療の地域ネットワーク体制が整っていないことである。児童・思春期の症例を主に診療する医療機関は,大学病院および公立病院の児童精神科や思春期外来であり,まだまだ数的には不足している。特に入院が必要となった時,入院できる児童・思春期病棟を持っている精神科病院はまだ国公立の一部にしかない。
このような状況の中で我々の病院は,1995年7月から私立精神科病院ではまれな思春期病棟を開設して今日に至っている。我々が始めた思春期病棟のこれまでの4年間を振り返り,その実態を報告し,私立精神科病院における児童・思春期精神科医療の今後について述べてみたい。
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