Japanese
English
短報
血管性痴呆に伴う抑うつ症状に無けいれん電気けいれん療法が奏効した1症例
Electroconvulsive Therapy for Depression in Vascular Dementia
宿南 浩司
1
,
山本 茂人
1
,
尾関 祐二
1
,
山田 尚登
1
Koji SHUKUNAMI
1
,
Shigeto YAMAMOTO
1
,
Yuji OZEKI
1
,
Naoto YAMADA
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Electroconvulsive therapy
,
Vascular dementia
,
Depressed mood
,
Refractory depression
Keyword:
Electroconvulsive therapy
,
Vascular dementia
,
Depressed mood
,
Refractory depression
pp.1233-1235
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904882
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はじめに
電気けいれん療法(ECT:Electroconvulsive therapy)は,うつ病および精神分裂病などの精神疾患に対し有効な治療法であり3,5),その安全性・有効性は治療法として十分選択されうるレベルにある。
一方,多発性脳梗塞に伴う抑うつ状態に対する抗うつ剤の効果は乏しいとされ2),通常,治療に困難を伴うことが多い。
今回我々は,抗うつ剤によって軽快せず,ECTにて抑うつ状態の著明な改善がみられた血管性痴呆(抑うつ気分を伴うもの)の症例を経験した。国内ではこれまでに痴呆に伴う抑うつ気分に対するECTの効果についての報告はなく,このような患者において選択すべき1つの治療法になると思われるので報告する。
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