「精神医学」への手紙
不登校児(者)と居場所—青木氏の一文に関連して
青野 哲彦
1
1医療法人一陽会病院
pp.673
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904798
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最近,「居場所」という言葉に識者の関心が集まっている。本誌41巻・2号の「巻頭言」で,青木1)は言う。おとなの管理のもとの空間でもなく,子どもたちだけの空間でもない安全な居場所が,街の中で失くなってきている,と。
近年,増加傾向にある不登校児(者)の多くは「居場所がない」と訴えて,自室(子供部屋)に引きこもる。家族や他人が来ると,部屋の入口にバリケードを築いたり,押し入れの中に隠れたりする者もいる。彼(女)らには,学校のみではなく,家庭内にも「居場所」がないと思わざるをえない。
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