Japanese
English
特集 治療抵抗性の精神障害とその対応
治療抵抗性の分裂病の薬物療法—現在投与中のclozapine使用経験も含めて
Pharmacotherapy for Treatment: resistant Schizophrenia
小林 一広
1
,
村崎 光邦
1
Kazuhiro KOBAYASHI
1
,
Mitsukuni MURASAKI
1
1北里大学医学部精神科
1Department of Psychiatry, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
Schizophrenia
,
Treatment-resistant
,
Clozapine
,
SDA
,
MARTA
Keyword:
Schizophrenia
,
Treatment-resistant
,
Clozapine
,
SDA
,
MARTA
pp.579-584
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904781
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はじめに
1952年にchlorpromazineが精神分裂病に対する治療薬として登場し,今日に至るまで様々な抗精神病薬が世に送り出されてきた。しかし約半世紀経過した現在においても,その効果としての限界や,錐体外路症状,遅発性ジスキネジア,悪性症候群といった副作用の問題は完全に解決されるには至らない。実際我々の臨床の場において,種々の抗精神病薬を投与しても十分な薬効が得られない,もしくはそれらの副作用によって十分量の投薬が不可能となった状態の症例は数多く存在する。本稿ではその治療抵抗性分裂病(treatment-resistant schizophrenia)に対する薬物療法について,現在筆者が外来にて加療継続中のclozapine投与例を報告したうえで,セロトニン・ドーパミン阻害薬(serotonin-dopamine antagonist;SDA)から,多種受容体作用薬(multi-acting receptor targeted agent;MARTA)といわれる今後の薬物療法の中心になると思われる薬剤について解説したい。
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