Japanese
English
研究と報告
精神分裂病患者の彩色樹木画の検討(第2報)
A Study of Colored Tree Drawings of Patients with Schizophrenia: part 2
横田 正夫
1
,
伊藤 菜穂子
1
,
清水 修
2
Masao YOKOTA
1
,
Nahoko ITO
1
,
Osamu SHIMIZU
2
1日本大学文理学部心理学研究室
2原病院
1Department of Psychology, College of Humanities and Sciences, Nihon University
2Hara Hospital
キーワード:
Schizophrenia
,
Colored tree drawing
,
Realistic
,
Negative symptom
Keyword:
Schizophrenia
,
Colored tree drawing
,
Realistic
,
Negative symptom
pp.469-476
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904764
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
【抄録】 精神分裂病患者の彩色樹木画の描画特徴による精神症状の判別の可能性を検討するために,研究1では全体的描画特徴,フランクフルト質問表による自覚症状,BPRSによる精神症状評価について因子分析した。その結果,写実性と陰性症状が1つの因子を構成した。そこで写実性に含まれる4項目によって陰性症状の判別を試みたところ全体の80.0%の判別が可能であった。次いで,研究2では,描画の要素の出現率を陰性症状の高低群間で比較した。36項目中3項目においてのみ出現率に有意な差が認められた。さらに,描画要素のまとまりを数量化III類によって検討したところ立体感と一線幹に関する2軸が描出されたが,それらのサンプルスコアには陰性症状の高低群間で有意な差は認められなかった。このように陰性症状の判別のためには写実性が重要と認められた。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.