Japanese
English
短報
抗がん剤使用後の予期性嘔吐に対してalprazolamが奏効した2症例
Two Cases of Anticipatory Vomiting that Responded to Alprazolam
大西 秀樹
1
,
田中 明子
2
,
仲沢 経夫
2
,
平原 史樹
2
,
小阪 憲司
1
Hideki ONISHI
1
,
Akiko TANAKA
2
,
Tsuneo NAKAZAWA
2
,
Fumiki HIRAHARA
2
,
Kenji KOSAKA
1
1横浜市立大学医学部精神医学教室
2横浜市立大学医学部産婦人科学教室
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine
2Department of Obstetrics and Gynecology, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Alprazolam
,
Anticipatory nausea & vomiting
,
Supportive care
Keyword:
Alprazolam
,
Anticipatory nausea & vomiting
,
Supportive care
pp.433-436
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904757
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がん患者はがんであるということで,種々の心理的な負担を負っている4)。心理的な負担を引き起こす要因は数多く認められるが,その中の1つとして化学療法がある。化学療法中には多くの患者が全身倦怠感,脱毛,悪心,嘔吐などを呈し,この結果として,後の治療法の選択に影響を及ぼすこともまれではない。
化学療法中の悪心や嘔吐に対しては抗5-HT3剤の登場でコントロールが良好になってきているが,化学療法後かなりの時間が経過しても,化学療法に関連した事柄を想像しただけで悪心や嘔吐を示す症例が認められ,予期性嘔吐anticipatory vomiting1)などの名称で呼ばれている。治療法は確立しておらず,症状経過,薬物選択および治療法について,精神医学的な記載がほとんど認められていない。
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