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Seishin Igaku Volume 40, Issue 4 （April 1998）

精神医学 40巻4号（1998年4月発行）

Japanese English

研究と報告

両眼角膜潰瘍を呈したMunchausen症候群の1例 A Case of Ocular Munchausen's Syndrome with Bilateral Corneal Ulcers 太刀川弘和 ¹ , 佐々木恵美 ² , 小林純 ² , 鈴木利人 ² , 白石博康 ² , 高松俊行 ³ , 関根康生 ³ , 本村幸子 ³ Hirokazu TACHIKAWA ¹ , Megumi SASAKI ² , Jun KOBAYASHI ² , Toshihito SUZUKI ² , Hiroyasu SHIRAISHI ² , Toshiyuki TAKAMATSU ³ , Kousei SEKINE ³ , Sachiko HONMURA ³ ¹栗田病院精神科 ²筑波大学臨床医学系精神医学 ³筑波大学附属病院眼科 ¹Kurita Hospital ²Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, The University of Tsukuba ³Department of Ophthalmology, The University of Tsukuba キーワード： Ocular Munchausen's syndrome , Corneal ulcer , Selfinflicted eye injury Keyword: Ocular Munchausen's syndrome , Corneal ulcer , Selfinflicted eye injury pp.395-400

発行日 1998年4月15日 Published Date 1998/4/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904526

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　【抄録】両眼角膜潰瘍をはじめ，多彩な症状を呈したMunchausen症候群の1女性例を報告した。原因不明の角膜潰瘍や角膜穿孔のため入退院を繰り返し，疼痛，下痢，食欲不振なども出現した。所持品検査で大量の薬物やピン類などの危険物が発見された。行動療法と支持的精神療法により症状は軽快した。眼症状を呈するMunchausen症候群の報告はまれで，本邦では報告がない。本例の心理的背景および眼球自傷に関する考察を行った。本症候群の治療については，治療スタッフ間に密接な協力体制を作って治療導入を図り，治療者は虚偽症状や治療側の陰性感情にとらわれず，支持的精神療法や行動療法を行うことが有効と思われた。