Japanese
English
研究と報告
精神分裂病者における消化性潰瘍—疼痛の訴えがない例の特徴
Peptic Ulcer in Schizophrenia; notes on pain insensitivity
吹野 治
1,2
,
坂本 泉
3
,
柏木 徹
3
,
福間 悦夫
3
Osamu FUKINO
1,2
,
SAKAMOTO Izumi
3
,
Touru KASHIWAGI
3
,
Etuo FUKUMA
3
1国立療養所鳥取病院内科
2現,静岡県総合健康センター
3国立療養所鳥取病院精神科
1Department of Internal Medicine, Tottori Byoin National Sanatorium
2Shizuoka Health Institute
3Department of Psychiatry, Tottori Byoin National Sanatorium
キーワード:
Schizophrenia
,
Peptic ulcer
,
Pain insensitivity
,
Antipsychotics
Keyword:
Schizophrenia
,
Peptic ulcer
,
Pain insensitivity
,
Antipsychotics
pp.1079-1082
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904190
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】精神病者は一般に合併症の症状を訴えることが少ないといわれているが,個々の合併疾患についての報告は少ない。今回,精神科入院精神分裂病患者の消化性潰瘍10例の臨床症状を調査し,疼痛の訴えがない例とある例とを比較した。その結果,精神分裂病者の消化性潰瘍では出血症状,悪心嘔吐,食欲不振が高率である一方,疼痛は少ない傾向にあった。また疼痛の訴えがない例はある例に比べ,抗精神病薬服用量が多く,出血症状で初発するものが多かった。以上より精神分裂病者の消化性潰瘍は,一般内科の症例に比べて身体的に重篤なものが多く,特に大最の抗精神病薬を投与されていると,疼痛を訴えにくく,出血症状により発見されやすい傾向があった。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.