Japanese
English
研究と報告
殺人者率および自殺率からみた我が国の青少年男性の世代的分類の試み—攻撃性と社会病理
Classification of Japanese Young Generations by Homicide Rate and Suicide Rate: aggression and social pathology
影山 任佐
1
,
石井 利文
2
,
長谷川 直実
3
,
原 淳
1
Jinsuke KAGEYAMA
1
,
Toshifumi ISHII
2
,
Nahomi HASEGAWA
3
,
Jun HARA
1
1東京工業大学
2東京医科歯科大学
3八王子医療刑務所
1Tokyo Institute of Technology
2Tokyo Medical & Dental University
3Hachioji Medical Prison
キーワード:
Homicide (murderer) rate
,
Suicide rate
,
Aggression
,
Japanese male youth
,
Social pathology
,
Bullying in schools
Keyword:
Homicide (murderer) rate
,
Suicide rate
,
Aggression
,
Japanese male youth
,
Social pathology
,
Bullying in schools
pp.807-815
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904148
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【抄録】我が国の青少年男性の殺人者率および自殺率の時代的,世代的変化を統計的手法を用いて明らかにした。殺人者率と自殺率の高低などの特徴から我が国の青少年はA群:戦前群(2亜型)とB群:戦後群(3亜型)に分けられた。さらにこの戦後群の2亜型と「校内暴力」,「家庭内暴力」,「いじめ」との関係を考察し,青少年の新しい世代分類とその特徴を述べた。青少年の殺人者率,自殺率はともに最近になるに従って全年齢の平均以上に極端に低下してきている。殺人および自殺を自他に向けられた攻撃性のもっとも暴力的な形態として把握する立場からこの結果を考察し,攻撃性が直接的で暴力的,物理的な形態から間接的で非物理的,言語的な形態へと我が国の青少年では大きく変動している可能性を指摘した。これが近年の青少年のいわゆる「いじめ」などの社会病理現象,無気力症などの精神病理現象の基盤の1つとなっている可能性に触れた。またこの攻撃性出現形態の変動の原因についても仮説を提示した。
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