Japanese
English
研究と報告
心因性尿閉を呈した3例の神経症患者
Three Cases of Neurosis with Psychogenic Urinary Retention
坂本 玲子
1
,
朝田 隆
1
,
假屋 哲彦
1
,
飯田 栄子
2
Reiko SAKAMOTO
1
,
Takashi ASADA
1
,
Tetsuhiko KARIYA
1
,
Eiko IIDA
2
1山梨医科大学精神科神経科
2山梨厚生病院
1Department of Neuropsychiatry, Yamanashi Medical University
2Yamanashi Kosei Hospital
キーワード:
Neurosis
,
Psychogenic urinary retention
,
Psychiatric aspects
Keyword:
Neurosis
,
Psychogenic urinary retention
,
Psychiatric aspects
pp.163-167
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904041
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【抄録】泌尿器科領域で心因性尿閉と呼ばれる疾患の診断・治療には,精神的配慮が重要であるとされる。しかし精神医学的観点からの報告は少ない。我々は心因性尿閉の3症例を経験した。いずれの症例においても性格的には未熟で女性としての同一性が十分確立されておらず,心的外傷を身体化し疾病に逃避しやすい傾向を認めた。個別的には,2例は分娩後の尿閉の経験があり性行為に対して陰性の感情を持っていた。もう1例は結婚を含めた将来への不安があり,心身症としての難治性胃潰瘍の存在が特徴的だった。さらに尿閉の誘因,結実因子として抗精神病薬の副作用にも注目した。
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