Japanese
English
研究と報告
多飲から肺水腫を来した水中毒の1死亡例—肺水腫併発例の文献的検討
A Fatal Case of Self-induced Water Intoxication Associated with Pulmonary Edema: a review of reported cases with pulmonary edema
榎田 雅夫
1
,
山崎 潤
1
,
山内 俊雄
1
Masao ENOKIDA
1
,
Jun YAMAZAKI
1
,
Toshio YAMAUCHI
1
1埼玉医科大学精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Saitama Medical School
キーワード:
Water intoxication
,
Polydipsia
,
Pulmonary edema
Keyword:
Water intoxication
,
Polydipsia
,
Pulmonary edema
pp.179-185
発行日 1995年2月15日
Published Date 1995/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903823
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【抄録】抗精神病薬の自己中断後に,精神症状の再燃に伴って突然の多飲から水中毒を来した精神分裂病の1症例を報告した。全身けいれん発作,昏睡,呼吸困難を示し,胸部X線検査で著明な肺水腫所見を認めたが,その後呼吸・心停止を来して急速に死の転帰をとった。
これまで報告された肺水腫を併発した水中毒症例に本症例を加えた10症例について検討した結果,1)重篤な意識障害とけいれん発作を示す例が多いこと,2)呼吸困難,チアノーゼ,胸部ラ音聴取などの呼吸器症状を示すことが特徴的であること,3)著明な低Na血症を示す症例が多いこと,4)脳浮腫を合併する症例が多いこと,5)死亡率が高く予後不良であること,などが特徴と考えられた。
水中毒の診断と治療に当たって肺水腫の併発に留意すべきことを強調し,肺水腫併発例には積極的な治療が重要であることを述べた。
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