Japanese
English
研究と報告
ハロペリドール減量中に重篤な頸部前屈と呼吸障害を呈した破瓜病の1例
A Case of Hebephrenia Showing Severe Antecollis and Breathing Difficulty during Haloperidol Tapering
丸井 規博
1
,
赤嶺 秀明
2
,
橋本 憲司
2
,
越本 武志
1
Norihiro MARUI
1
,
Hideaki AKAMINE
2
,
Kenji HASHIMOTO
2
,
Takeshi KOSAHIMOTO
1
1京都大学医学部精神科
2岩倉病院
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, Kyoto University
2Iwakura Hospital
キーワード:
Tardive dystonia
,
Antecollis
,
Breathing difficulty
,
Schizophrenia
,
Dystonia
Keyword:
Tardive dystonia
,
Antecollis
,
Breathing difficulty
,
Schizophrenia
,
Dystonia
pp.1065-1070
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903747
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【抄録】 症例は36歳,男性。重篤な破瓜病で,14歳にて発病後のほとんどを自宅にて無為・不潔状態で過ごしていた。常同行為から左脛骨を骨折したことをきっかけに入院治療が開始されたが,ハロペリドール減薬中に重篤なantecollisを呈した。このantecollisに対し,様々な薬物治療を施したが,ジアゼパムの静脈内投与以外は著効は示さず,理学的治療が有効であった。また,antecollisを呈してから2度,窒息を起こした。antecollisは薬剤による遅発性ジストニアであると思われるが,一方でこの症例の年齢不相応な大脳・小脳萎縮となんらかの関連があるのではないかと推測した。また生命脅威的な呼吸障害は,声帯筋のジストニアではなく,antecollisの急性増悪によるものであると考えられた。文献的にも検討し,頭—頸部ジストニアにおいては呼吸障害の出現に細心の注意を払うべきことを指摘した。
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