Japanese
English
短報
眼球自己損傷を伴ったGilles de la Tourette症候群の1症例
A Case of Gilles de la Tourette Syndrome with Self-inflicted Eye Injury
柳橋 雅彦
1
,
安田 聖子
1
,
長谷川 正士
1
,
福留 和美
1
,
佐藤 甫夫
1
Masahiko YAGIHASHI
1
,
Seiko YASUDA
1
,
Masashi HASEGAWA
1
,
Kazumi FUKUDOME
1
,
Toshio SATO
1
1千葉大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
Gilles de la Tourette Syndrome
,
Self-inflicted eye injury
Keyword:
Gilles de la Tourette Syndrome
,
Self-inflicted eye injury
pp.203-205
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903612
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■はじめに
1885年にGeorges Gilles de la Touretteは慢性的運動性チックおよび言語性チックを伴った9例の患者のうち2例に自傷行為がみられたと報告している3)。その後,Gilles de la Tourette症候群(以下GTSと略)における自傷行為についてはいくつかの文献2,4,6)があるが,それらは身体を叩く,ぶつける,口唇を咬むなどが一般的である。しかし,眼球損傷の結果,永久的な視力障害を呈した報告は,筆者が検索したかぎり西田ら5)による右完全失明,左明暗弁別に至った例が報告されているのみで,国外でも数例7)しか見当たらない。
今回,DSM-Ⅲ-Rの診断基凖1)を満たすGTSで,眼球自己損傷により両眼失明に至った後,筆者らの治療的関与により現在良好な社会適応を示している症例を経験したので,その臨床経過に若干の考察を加えて報告する。
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