Japanese
English
短報
健常者の気分・行動の季節性変化に関する小調査—自己記入式質問票Seasonal Pattern Assessment Questionnaireを用いて
A Investigation of Seasonality in Mood and Behavior in Normal Subjects using the Seasonal Pattern Assessment Questionnaire
加茂 登志子
1
,
加茂 康二
1
,
中平 進
1
,
坂元 薫
1
Toshiko KAMO
1
,
Koji KAMO
1
,
Susumu NAKADAIRA
1
,
Kaoru SAKAMOTO
1
1東京女子医科大学神経精神科教室
1Department of Psychiatry, Tokyo Women's Medical College
キーワード:
Seasonality
,
SPAQ
,
Normal subjects
,
Seasonal affective disorders
Keyword:
Seasonality
,
SPAQ
,
Normal subjects
,
Seasonal affective disorders
pp.837-840
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903495
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1984年に季節連関性感情障害(Seasonal Affective Disorder,以下SAD)5)が報告されてから,従来指摘されてきた感情障害の季節連関性が再び関心を集めているのは周知の通りである。しかし,特定の感情病者ならずとも,一般的に我々の心身の状態が季節変化によって影響を受けることもまたよく知られている事実である。精神疾患という枠を取り払い,季節変化にほとんど影響を受けない群と,SADのように季節変化が症状の消長にまでつながる著しい影響を受ける群を両極にして,我々の季節性が互いに連続性を持ち,スペクトラムとしてつながる可能性も示唆されている3)ことから,健常者の気分や行動の季節性変動の研究は,前臨床的な領域を含めて,今後の重要な課題になりうるであろう。
健常者を対象にした季節性の研究はまだ一部の筆者らに限られており,特に本邦での具体的資料は少ない。今回,我々は健常者の季節性を調査する予備的試みとして,20代の女性を対象に自己記入式質問票を用いて季節性の調査を行ったのでこれを報告し,さらに季節に影響を受けやすい群と受けにくい群について比較検討する。
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