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特集 光と精神医学
光と動物の季節性行動
Light and Seasonal Changes in Animal Behavior
吉村 崇
1
Takashi Yoshimura
1
1名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所・大学院生命農学研究科
1Institute of Transformative Bio-Molecules(WPI-ITbM)& Graduate School of Bioagricultural Sciences, Nagoya University, Nagoya, Japan
キーワード:
Winter depression
,
Seasonal reproduction
,
Photoreceptors
,
Light sensitivity
,
ipRGC
Keyword:
Winter depression
,
Seasonal reproduction
,
Photoreceptors
,
Light sensitivity
,
ipRGC
pp.945-953
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205884
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抄録 自然界に生息する動物たちは環境の季節変化に適応するために,繁殖活動や冬眠など,さまざまな生理機能や行動をダイナミックに変化させる。季節によって変動する環境因子には,日照時間(日長),気温,降水量などがあるが,多くの生物は日長を手がかりとしている。近年の研究から鳥類,哺乳類,魚類が日長の変化を感じて繁殖活動を開始する仕組みが明らかになってきた。ヒトだけでなくさまざまな動物が日長の変化によって,うつ様行動を示すと言われている。また冬季うつ病にみられる抑うつ状態や体重,概日リズム,あるいは社交性の変化は,動物の冬眠や季節繁殖などの名残りではないかと指摘されてきた。ヒトとその他の動物が異なることは明白であるが,ヒトも動物である。本稿では動物の季節性行動と光の関係について紹介しながら,ヒトとの類似点,相違点について議論する。
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