Japanese
English
研究と報告
配偶者に向けられた系統的健忘の2例
Two Cases of Systematic Amnesia for a Spouse
稲本 淳子
1
,
梶田 修明
1
,
木南 豊
1
,
田玉 逸男
1
,
河合 正登志
1
Atsuko Inamoto
1
,
Osaaki Kajita
1
,
Yutaka Kinami
1
,
Itsuo Tadama
1
,
Masatoshi Kawai
1
1昭和大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Showa University, School of Medicine
キーワード:
Systematic amnesia
,
Total amnesia
,
Process of marriage
,
Personality
Keyword:
Systematic amnesia
,
Total amnesia
,
Process of marriage
,
Personality
pp.169-175
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903197
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【抄録】 報告例の少ない配偶者に向けられた系統的健忘を2例経験し,その共通の特徴に着目し従来の報告例も含め考察を加えた。
系統的健忘の固有の特徴としては,女性の報告例が多く,結婚生活そのものが慢性葛藤状態であり,本来人生において重大な選択である結婚が,熟慮された結果ではなく受動的,衝動的で,その過程に問題があったといえる。また生育環境としては中流以上の家庭に育ち,その根底に両親との不分離が示唆される。性格特性としては精神的他殺型であり自己肯定的側面が強いものであると思われる。また臨床経過,発症状況,および発生機制において全生活史健忘と類似しており,その1型であると考えられる。
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