Japanese
English
研究と報告
精神分裂病患者における家周辺空間の認知
Environmental Cognition in Schizophrenic Patients
横田 正夫
1
Masao Yokota
1
1日本大学文理学部心理学研究室
1Department of Psychology, College of Humanities and Sciences, Nihon University
キーワード:
Environmental cognition
,
Schizophrenic patients
,
Cognitive map
,
Visual angle of mind's eye
Keyword:
Environmental cognition
,
Schizophrenic patients
,
Cognitive map
,
Visual angle of mind's eye
pp.1169-1177
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903141
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【抄録】 精神分裂病患者の家周辺空間の認知を調べるために,分裂病患者144名,正常者62名に家の周りの地図を描くように求める認知地図検査を実施した。そして分裂病患者と正常者の間で認知地図の詳細さ,広がり,遠方空間との関係づけの程度を比較した。その結果,分裂病患者では自分の家と1本の道路のみを描くというように詳細さに乏しく,広がりも狭く,また遠方空間との関係づけも少なかった。以上の結果は,これまでの認知地図検査の結果と一致し,患者の心の目の視角の狭さの認知障害を示唆する。さらに,長期入院患者の認知地図では短期入院のものより詳細さがより乏しく,広がりがより狭く,遠方空間との関係づけがより少なかった。このことから認知地図は患者がその空間にどの程度根づいているかの指標となると考えられた。
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