Japanese
English
研究と報告
精神分裂病の陰性症状と反応時間検査に現れる認知機能障害—精神分裂病の情報処理障害と陰性症状(第2報)
Information Processing Disorder and Negative Symptoms in Schizophrenics (Ⅱ)
高橋 和巳
1
,
山田 寛
1
,
加藤 伸勝
1
Kazumi Takahashi
1
,
Hiroshi Yamada
1
,
Nobukatsu Kato
1
1東京都立松沢病院精神科
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
キーワード:
Schizophrenia
,
Negative symptoms
,
Reaction time
,
Event related potentials
,
EEG power density
Keyword:
Schizophrenia
,
Negative symptoms
,
Reaction time
,
Event related potentials
,
EEG power density
pp.1179-1186
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903142
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【抄録】 精神分裂病患者群の中には陰性症状の目立つ一群とこれが比較的軽度である一群があり,前者は急性期の治療終了後の社会復帰にあたって大きな障害になっている。前回我々は単純反応時間の測定を行い,反応時間の分布パターンの違いから精神分裂病患者群を2つの亜群に分類し,その一方が特に陰性症状の強い一群であることを報告した。今回はさらに神経生理学的な測定からこれを検証するために,2つの患者群に対し,①陰性症状を中心とする臨床症状,②反応時間課題実施中の事象関連電位,③脳波基礎律動の分析を行った。その結果,陰性症状の強い患者群,陰性症状の軽い患者群および正常対照群の3群間で,注意関連電位といわれる陰性電位変動のパターンおよび脳波の%パワー・デンシティの結果に差を認めた。これにより精神分裂病患者群を2つの亜群に分けて検討することが有用であると考えられた。
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