Japanese
English
研究と報告
恐慌性障害の症例研究・2—その経過と薬物療法
Studies of Panic Disorder: 2: clinical courses and pharmacotherapy of panic disorder
塩入 俊樹
1
,
花田 耕一
1
,
高橋 三郎
1
Toshiki Shioiri
1
,
Koichi Hanada
1
,
Saburo Takahashi
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Panic disorder
,
Panic attack
,
Benzodiazepine
,
Pharmacotherapy
Keyword:
Panic disorder
,
Panic attack
,
Benzodiazepine
,
Pharmacotherapy
pp.1231-1238
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904968
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【抄録】 DSM-Ⅲ診断基準が導入されて以来の10年間に恐慌性障害(panic disorder)と診断された,自験例166症例について,その経過と薬物療法の有効性にっいて検討した。①精神科受診前にまず内科を受診した者が全体の約65%を占めた。②発症から当科を初めて受診するまでの期間が1年以内の者は約60%であった。③他科における治療期間は約半数の者が3カ月以内であった。一方,精神科に通院する場合,大多数の患者が2年間は通院を続けていた。④処方される薬剤は,benzodiazepine系の抗不安薬が全体の67.2%を占め,その中ではcloxazolamとalprazolamの頻度が高かった。抗うつ薬の使用は全体の17.2%にすぎない。⑤恐慌発作が消失した者は約45%で,その約9割の患者は1カ月以内に消失していた。⑥恐慌発作の消失率は,alprazolamを使用した場合,他の薬剤に比し有意に高かった。
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