Japanese
English
研究と報告
職場における抑うつ状態に関する調査—自己評価式抑うつ尺度を用いて
Depressive Mood in Industry: using selfassessing depression scale
尾崎 紀夫
1
,
伊藤 孝広
1
,
三浦 英樹
2
,
長瀬 治之
1
,
篠田 毅
1
,
小野 雄一郎
3
Norio Ozaki
1
,
Takahiro Itoh
1
,
Hideki Miura
2
,
Haruyuki Nagase
1
,
Takeshi Shinoda
1
,
Yuichiro Ono
3
1中部労災病院精神科
2中部労災病院健康診断センター
3名古屋大学医学部衛生学科
1Department of Psychiatry, Chubu Rosai Hospital
2Department of Medical Examination, Chubu Rosai Hospital
3Department of Hygiene, Nagoya University School of Medicine
キーワード:
Depressive mood
,
Industry
,
Psychological test
,
Burn out
,
Role identification
Keyword:
Depressive mood
,
Industry
,
Psychological test
,
Burn out
,
Role identification
pp.653-658
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903068
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【抄録】 職場環境が勤労者の抑うつ状態に与える影響を検討するため,Zung自己評価式抑うつ尺度(Zung SDS)と職場の様々な項目を含んだアンケート用紙を用いて調査した。Zung SDSの妥当性を検討するために外来精神疾患患者にZung SDSを適用した結果,抑うつ尺度として使用するのは妥当であろうと考えられた。勤労者1,661名のアンケート用紙の結果を検討したところ,従来の報告と比較して抑うつ状態の発生率が低かった。今回の対象が労働衛生への配慮が高い公的職場であったことがその要因と思われる。職場での何らかの問題を感じているものは男女ともに抑うつ状態が多かった。残業時間が多く,職場の人間関係も問題で,自己の仕事への適性に疑念を感じている女性が病院の技術職に集中しており,抑うつ状態が多発していた。彼女らは看護婦にみられるバーンアウトの可能性が強い。男性においては仕事への役割同一化が強く,多忙でも抑うつ傾向のみられないものがいた。
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