Japanese
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研究と報告
精神科保護病棟の長期在棟者についての臨床的研究—いわゆる「処遇困難例」との関連で(第1報)
A Clinical Study of Long-term Inmates in a Secure Ward: Implications for the problem of “Difficult Patient” (Ⅰ)
大木 進
1
,
中谷 陽二
2
,
山田 秀世
3
,
岩波 明
3
,
藤森 英之
3
Susumu Ohki
1
,
Yoji Nakatan
2
,
Hideyo Yamada
3
,
Akira Iwanami
3
,
Hideyuki Fujimori
3
1八潮病院
2東京都精神医学総合研究所
3東京都立松沢病院
1Yashio Hospital
2Psychiatric Research Institute of Tokyo
3Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
キーワード:
Secure ward
,
Long-term inmate
,
Difficult patient
Keyword:
Secure ward
,
Long-term inmate
,
Difficult patient
pp.351-358
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903029
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【抄録】 1公立精神病院の男子保護病棟での長期・頻回在棟者(最近9年間に通算1年以上もしくは5回以上在棟した患者)の39例を対象に,臨床像,生活背景,入院経路について分析した。①主な疾患は精神分裂病(27例)と中毒性精神障害(10例)で,他は精神遅滞,器質精神病であった。精神分裂病では,非定型病像の症例や鑑別診断が困難な症例が少なくなかった。中毒性の症例の多くでは多剤乱用,人格障害,脳器質性徴候が複合していた。②「分裂病群」と「非分裂病群」について生活背景と入院経路を比較した。後者の群では生育環境が悪く,社会的逸脱行動が多く,治療の中断と頻回入院の傾向が著しかった。保護病棟への入院理由は,分裂病群では身体的暴力,非分裂病群では言語的暴力と器物損壊が多かった。両群の比較をもとに,開放的治療で対応のむずかしい,いわゆる「処遇困難例」の問題について若干の考察を加えた。
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