Japanese
English
研究と報告
前思春期周期性精神病の1症例—特に経過中の基礎体温の変動について
A Case of Periodic Psychosis in Prepuberty: Change in basal body temperature in clinical course, particularly
中山 和彦
1
Kazuhiko Nakayama
1
1東京慈恵会医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
Periodic psychosis
,
BBT
,
Bromocriptine
Keyword:
Periodic psychosis
,
BBT
,
Bromocriptine
pp.359-365
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903030
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【抄録】 初経の発来に至る以前に発症した14歳の前思春期周期性精神病の1例において,その経過中に測定した約5年間の基礎体温の変動と,月経関連ホルモンの継時変化を通して,その臨床症状と経過について検討した。
病相は約30日の月周期で出現し,7から14日間持続した後,速やかに消失した。その病相期に一致して37℃前後の微熱傾向を示し,基礎体温上二相性変化となり,あたかも排卵性月経周期を思わせる変動を示した。また本症例は軽度の高プロラクチン血症を呈しており,そのためbromocriptineを2.5から5mg投与された。その結果高プロラクチンは改善され,引き続いて初経の発来に至った。またその後病相の発現も消失した。しかし月経はその後も無排卵性周期を示していた。一般にbromocriptineは性腺機能不全による悪循環を是正することで,精神症状を改善すると考えられているが,本症例では月経周期を通さず,直接本疾患の精神症状に作用していることが考えられた。
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