Japanese
English
研究と報告
新しい抗てんかん薬ゾニサミドによる薬疹の1例
A Case of Drug Eruption Due to A New Antiepileptic Drug, Zonisamide
大橋 嘉樹
1
,
柳生 隆視
1
,
加護野 洋二
1
,
福島 正人
1
,
木下 利彦
1
,
岡島 詳泰
1
,
磯谷 俊明
1
,
延原 健二
1
,
齋藤 直巳
1
,
赤枝 民世
2
,
廣谷 好永
2
,
齋藤 正己
1
Yoshiki Ohashi
1
,
Takami Yagyu
1
,
Youji Kagono
1
,
Masato Fukushima
1
,
Toshihiko Kinoshita
1
,
Yoshiyasu Okajima
1
,
Toshiaki Isotani
1
,
Kenji Nobuhara
1
,
Naomi Saito
1
,
Tamiyo Akaeda
2
,
Yoshie Hiroya
2
,
Masami Saito
1
1関西医科大学精神神経科学教室
2関西医科大学皮膚科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kansai Medical University
2Department of Dermatology, Kansai Medical University
キーワード:
Zonisamide
,
Side effect
,
DLST
,
Erythema exsudativum multiforme
Keyword:
Zonisamide
,
Side effect
,
DLST
,
Erythema exsudativum multiforme
pp.191-194
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903003
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【抄録】 てんかんの薬物療法には,種々の抗てんかん薬が用いられる。その使用にあたっては,的確な種類,量の抗てんかん薬を選択するとともに,起こり得る副作用には十分注意する必要がある。今回,側頭葉てんかん患者に新しい抗てんかん薬zonisamideを投与中,ステロイド治療を必要とする重篤な全身性多型浸出性紅斑が出現し,zonisamideによる薬剤性皮疹と診断された1例を経験した。症例は29歳の女性で,zonisamide投与後10日目より紅斑性皮疹が発生したため,投与後13日目に中止したが,皮疹はその後全身に広がり,発熱,口腔粘膜疹,肝障害が発現したので入院治療を行なった。確定診断のために,DLST,貼布試験,内服試験を施行したが,DLST,貼布試験では明確な結果は得られず,内服試験により皮疹の再現を認めた。Zonisamideによる重篤な薬疹はこれまで報告がなく,zonisamide投与中は皮膚病変に十分な注意が必要であることが示唆された。
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