Japanese
English
短報
悪性症候群とTEN症候群を起こし血液灌流と血漿交換が効果をあげた1例
A Case of Malignant Syndrome and TEN Syndrome Treated with Directhaemoperfusion and Plasmapheresis
清水 淑子
1
,
寺野 易代
1
,
小島 武
1
,
佐貫 恵吉
1
,
坪中 信幸
1
,
木村 健一
1
,
片山 正一
2
,
金杉 和夫
3
,
近藤 靖児
4
Toshiko Shimizu
1
,
Yasuyo Terano
1
,
Takeshi Kojima
1
,
Keikichi Sanuki
1
,
Nobuyuki Tsubonaka
1
,
Kenichi Kimura
1
,
Syouichi Katayama
2
,
Kazuo Kanesugi
3
,
Seiji Kondou
4
1堀ノ内病院
2大阪大学医学部第2病理学教室
3陽和病院
4東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
1Horinouchi Hospital
2Department of 2nd Pathology, Osaka University School of Medicine
3Youwa Hospital
4Department of Dermatology, Tokyo Medico-Dental University School of Medicine
pp.417-421
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902828
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
向精神薬の副作用の一つに,極めて重篤な症状を示す悪性症候群(syndrome malin)がある。その治療として数年前より,dantrolene1,10),bromocriptine18)が使用されるようになって一定の効果をあげてきた。また,中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis以下TENと略)4,6,7,9,14〜17)は,高熱,全身皮膚灼熱感と共にびまん性紅斑が生じ,後に広範囲の第2度熱傷に類似した大水疱を多発し,膜様に表皮が剥脱して湿潤したびらん面を形成してくる疾患である。本症はさらに乏尿,実質性またはうったい性肝炎,心炎,気管支肺炎などの重篤な臓器合併症を伴って,予後不良の場合が多い。
今回,著者らははじめ悪性症候群にかかり,dantroleneを使用しながら血液灌流(direct haemoperfusion以下DHPと略),血液透析(hemodyalysis以上HDと略)を実施し著明な効果を上げたが,治癒1週間後にTEN症候群を起こし,これも血漿交換を利用した治療により著しい改善が認められた1例を経験したので報告する。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.