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資料
市立総合病院におけるリエゾン精神医学の経験
Clinical Studies of Liaison Psychiatry in One Municipal General Hospital
小片 寛
1
,
塩原 順子
1
Hiroshi Ogata
1
,
Junko Shiohara
1
1信州大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Shinshu University
pp.423-428
発行日 1990年4月15日
Published Date 1990/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902829
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I.はじめに
筆者らは当総合病院でのアルコール依存症患者の治療に関する現状を1987年に報告12)し,問題点を指摘しながら精神科医の役割にも簡単に触れてきた。今回は各診療科との連携医療を前提にリエゾン精神医学の経験を報告し,若干の考察を試みたい。
1965年の調査9)によれば,わが国の国公立総合病院に精神科神経科を併設していたのは,大学附属病院を除いて,全施設の3分の1であったという。当初は精神薬理学の台頭から,精神疾患の早期発見,早期治療を目的とし,その背景には地域精神医学が,今日の地域精神医療とは異なり臨床精神医学の窓口を広げる程度であったが,精神神経学会総会(1967年)のシンポジウムで取り上げられるようになった頃に相当する。しかしそれは病院内の単科としての役割であった。時代の流れと共に総合病院が精神科神経科を併設するようになったが,現時点でもそれを阻む要因は根強い。当初から,総合病院では各診療科相互の患者紹介や各科医ごとの医療検討や意見交換などが医局内でなされてきた。精神疾患や精神医療に関しても例外ではなかった(consultation psychiatry)。
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