巻頭言
精神医学卒後教育について
小泉 準三
1
1筑波大学臨床医学系
pp.116-117
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902783
- 有料閲覧
- 文献概要
この数年来,大学医学部,医科大学,医学会,医師会,厚生省等で医師の卒後あるいは生涯教育の重要性が強調され,それに伴って専門医,認定医,指導医,登録医等各種の資格制度が発足し,またこれらの制度の検討もなされているが,更に医学の各専門領域でそれぞれその内容などについての見直し等の論議がなされているのが現状である。
精神医学の分野では,昭和63年7月に精神保健指定医制度が精神保健法に基づいて発足した。しかし,この指定医制度にもその内容等に検討を要する若干の問題点はあると思われるが,この制度のいかんにかかわらず,将来精神科臨床医となるための基礎となる最も重要な卒後数年間の臨床研修をいかにすべきか,すなわち各種の精神障害の的確な診断と治療および社会復帰等精神医学の幅広い基本的な臨床能力をしっかりと身につけた優れた精神科医をどのようにして育成するかが最も重要なことと思われる。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.