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短報
Milnacipranを大量服薬した1症例—Milnacipranの血中濃度と薬物動態学的特徴
Serum Concentration of Milnacipran in Selfpoisoning: A case report
宮川 晃一
1
,
江渡 江
1
,
植田 由美子
2
,
清水 隆史
1
,
一宮 洋介
1
,
新井 平伊
3
Koichi MIYAKAWA
1
,
Koh ETO
1
,
Yumiko UEDA
2
,
Takafumi SHIMIZU
1
,
Yosuke ICHIMIYA
1
,
Heii ARAI
3
1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院メンタルクリニック
2猿島厚生病院精神科
3順天堂大学医学部精神医学教室
1Department of Neuro-Psychiatry, Juntendo University Urayasu Hospital
2Sashima Kosei Hospital
3Department of Psychiatry, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
Milnacipran
,
Serum concentration
,
Selfpoisoning
Keyword:
Milnacipran
,
Serum concentration
,
Selfpoisoning
pp.1317-1320
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902754
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はじめに
近年,精神科臨床において選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)が広く使用されるようになった。これらの薬剤は,既存の抗うつ薬に比べ副作用が少なく,大量服薬に対しても安全であるといわれ,効果の高い抗うつ薬として期待されている。一方,順天堂浦安病院(以下当院と略す)に救急搬送される急性薬物中毒患者の中で,最近,SSRI,SNRIを大量服薬する症例が散見されるようになってきた。
今回我々は,milnacipranを大量服薬した症例において,経時的にmilnacipranの血中濃度を測定する機会を経験した。milnacipranを大量服薬した際の薬物血中濃度や対処法に関しては,国内外を問わず報告はなく,興味深い結果を得たため,症例を提示し,milnacipranの薬物動態学的特徴をもとに若干の考察を加える。
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