Japanese
English
短報
拡張型心筋症(DCM)に重症うつ病を併発し,Milnacipran(SNRI)が有効であった1症例
A Case of Major Depression, Accompanied by DCM, Responding to Milnacipran
三澤 仁
1
,
伊藤 耕一
1
,
田吉 伸哉
1
,
金井 貴夫
1
,
青野 成孝
1
,
関 由賀子
1
,
笠原 敏彦
1
Hitoshi MISAWA
1
,
Kouichi ITOU
1
,
Shinya TAYOSHI
1
,
Takao KANAI
1
,
Michitaka AONO
1
,
Yukako SEKI
1
,
Toshihiko KASAHARA
1
1国立国際医療センター精神科
1Department of Psychiatry, International Medical Center of Japan
キーワード:
DCM
,
Depression
,
Milnacipran
,
SNRI
Keyword:
DCM
,
Depression
,
Milnacipran
,
SNRI
pp.1085-1087
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902508
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はじめに
これまで低心機能の慢性心不全患者にうつ病が合併した場合,従来の三環系および四環系抗うつ剤では刺激伝導系障害などの心毒性が問題となり,薬物療法を行ううえで障害となることが指摘されている1)。また,不安焦燥感や希死念慮が強く,緊急治療としてm-ECTが必要と思われる症例にも,治療が心臓に与える影響を考慮すると麻酔科管理の下でも大きなリスクがあると言わざるをえない6)。今回,我々は拡張型心筋症(DCM)で心不全を合併し,なおかつ,強い自殺念慮を伴う重症うつ病の症例を経験した。種々の薬物療法を試みたが十分な効果を上げることができず,結局milnacipranを中心とした抗うつ剤治療で短期間に著明な抑うつ状態の改善を得たうえ,心機能をはじめとして身体的にもなんら臨床的悪影響を与えなかった症例を経験したので,ここに報告する。
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