Japanese
English
研究と報告
薬剤性顆粒球減少症にリチウムが有効であった双極性障害の1例
A Case of Bipolar Disorder which Responded to Lithium in the Treatment of Drug-induced Granulocytopenia
鈴木 克明
1
,
松丸 直子
1
,
坂元 薫
1
Yoshiaki SUZUKI
1
,
Naoko MATSUMARU
1
,
Kaoru SAKAMOTO
1
1東京女子医科大学病院神経精神科
1Department of Psychiatry, Tokyo Women's Medical University
キーワード:
Lithium
,
Granulocytopenia
,
Bipolar disorder
Keyword:
Lithium
,
Granulocytopenia
,
Bipolar disorder
pp.1101-1105
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902724
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【抄録】 種々の薬剤により顆粒球減少症を来したが,精神症状の改善ならびに好中球数増加に対してリチウム(Li)が有効であった双極性障害の1例を報告した。本症例の経過報告を呈示し,顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の臨床応用が始まって以来注目されることの少なくなったLiの顆粒球増加効果について考察した。精神科領域では薬剤性顆粒球減少症が決して稀ではないこと,ならびにLiが躁病だけでなくうつ病の治療にも有用であることを考慮すると,今後,顆粒球減少症あるいは顆粒球減少傾向を伴う精神疾患,ことに気分障害例においてはLiの積極的使用を試みるべきであると思われた。
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