Japanese
English
短報
リチウムとバルプロ酸の併用が有効と思われる病相頻発型双極性障害2例
Two Cases of Rapid-cycling Bipolar Disorder: treatment with lithium and valproate
本橋 伸高
1
,
南海 昌博
2
,
小山 恵子
2
,
渥美 義賢
2
,
塩江 邦彦
3
,
假屋 哲彦
3
Nobutaka MOTOHASHI
1
,
Masahiro NANKAI
2
,
Keiko KOYAMA
2
,
Yoshichika ATSUMI
2
,
Kunihiko SHIOE
3
,
Tetsuhiko KARIYA
3
1広島大学医学部神経精神医学教室
2東京医科歯科大学医学部神経精神医学教室
3山梨医科大学精神神経医学教室
1Department of Neurology and Psychiatry, Hiroshima University School of Medicine
2Department of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
3Department of Neuropsychiatry, Yamanashi Medical College
キーワード:
Rapid-cycling bipolar disorder
,
Lithium
,
Valproate
Keyword:
Rapid-cycling bipolar disorder
,
Lithium
,
Valproate
pp.87-89
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903386
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双極性感情障害の患者はリチウム製剤の導入以来病相予防が容易になった。しかし,リチウムに反応を示さない患者群が知られており,その中には病相が頻発する型が含まれている。近年抗けいれん薬であるカルバマゼピンの感情障害に対する有効性が報告され,その単独またはリチウムとの併用が病相頻発型にも効果があるとされている。さらには,同じ抗けいれん薬であるバルプロ酸の単独またはリチウムとの併用が感情障害の治療や予防に有効であることはヨーロッパで示されてきた2,8)が,最近アメリカでも使用されるようになり,特に病相頻発型に有効であることが報告され注目されている1,3)。しかしながら,我が国での報告はごく限られたものである。今回,リチウムとバルプロ酸の併用により比較的長期にわたり病相予防が有効な2例を経験したので報告する。
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