Japanese
English
研究と報告
老年期うつ病の入院長期化に関する検討
Senile Depression and Extent of Hospitalization Length
高橋 彩子
1
,
三村 將
1
,
田所 千代子
2
,
西岡 玄太郎
1
,
高橋 太郎
1
,
上島 国利
1
Ayako TAKAHASHI
1
,
Masaru MIMURA
1
,
Chiyoko TADOKORO
2
,
Gentarou NISHIOKA
1
,
Taro TAKAHASHI
1
,
Kunitoshi KAMIJIMA
1
1昭和大学医学部精神医学教室
2都立多摩総合精神保健福祉センター
1Department of Psychiatry, Showa University, School of Medicine
2Tokyo Metropolitan Tama Center for Mental Health
キーワード:
Senile depression
,
Hospitalization
,
Elderly
,
Side effect
,
Complication
Keyword:
Senile depression
,
Hospitalization
,
Elderly
,
Side effect
,
Complication
pp.993-1000
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902707
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【抄録】 老年期うつ病患者の臨床観察からは入院が長期化する例が稀ならず認められる。入院の長期化にかかわる要因を検討するため,老年期うつ病で入院した患者94例について後方視的に調査した。21例が治療途中で転院・転科しており,さらに残りの73例につき,入院期間が90日未満の短期群と,90日以上の長期群に分け,症状評価尺度を3か月間追跡した。入院が長期化する要因としては(1)症状出現から精神科受診までの期間が長いこと,(2)入院4週間後のハミルトンうつ病評価尺度の総得点が高値であること,(3)抗うつ薬による副作用の出現頻度や副作用の種類が多いこと,(4)身体合併症の種類が多く,重症度が高いことなどが関与すると考えられた。これらの知見は老年期うつ病の治療計画を検討する際に有用であると思われた。
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