Japanese
English
展望
多動性障害(注意欠陥多動性障害)の臨床と生物学的背景
The Clinical Aspect and Biological Background of Hyperkinetic Disorders (Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
市川 宏伸
1
Hironobu ICHIKAWA
1
1東京都立梅ケ丘病院
1Tokyo Metropolitan Umegaoka Hospital
キーワード:
Hyperkinetic disorders
,
Learning disability
,
Psychostimulant
,
Neurotransmitters
,
Molecular biology
Keyword:
Hyperkinetic disorders
,
Learning disability
,
Psychostimulant
,
Neurotransmitters
,
Molecular biology
pp.676-687
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902246
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はじめに
近年,教育界を中心に,「落ち着きがない」,「不注意が目立つ」,「我慢できない」などを特徴とする子どもの報告が増加している。これらの子どもは,知的水準に比べて学業成績が低いため,“努力をしない子ども”,“怠け者”とされることが多く,適切な対応がなされないと,行動上の問題を呈することも知られている。これらの症状を主訴として子どもの精神科を訪れる患者が,この数年間著しく増加しており,多くは多動性障害(注意欠陥多動性障害)と診断されている。臨床現場では,周囲の環境調整や,薬物の使用などいくつかの対応策がとられているが,必ずしも十分な改善が得られていない。筆者の経験をもとに,臨床現場の状況と薬物療法を含めた生物学的背景を記してみたい。
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