Japanese
English
短報
制汗スプレー剤の習慣的吸入により精神病性障害を呈した1例
A Case Showing Psychotic Symptoms Induced by the Abuse of “Deodorant Sprays”
渡邉 温知
1
,
道又 利
1
,
酒井 明夫
1
,
大塚 耕太郎
1
,
氏家 憲一
1
,
星 克仁
1
,
安田 重
1
Harutomo WATANABE
1
,
Satoshi MICHIMATA
1
,
Akio SAKAI
1
,
Kotaro OTSUKA
1
,
Ken-ichi UJIIE
1
,
Katsuhito HOSHI
1
,
Shigeru YASUDA
1
1岩手医科大学神経精神科学講座
1Department of Neuropsychiatry, Iwate Medical University
キーワード:
Deodorant sprays
,
Psychotic symptoms
,
Mental health
Keyword:
Deodorant sprays
,
Psychotic symptoms
,
Mental health
pp.623-625
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902239
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薬物の依存,乱用は我が国においても大きな社会問題であり,特に近年は低年齢化や大衆化といった傾向が著明である。こうした状況に対して,種々の法律による取締りや啓蒙活動がなされている。しかし,最近注目を浴びたいわゆる「合法ドラッグ」の問題をはじめとして,既成の法律に規定された範囲を超えて,依存・乱用の対象が拡大し多様化する今日の状況においては,対応に苦慮する場面も多い。今回我々は,制汗デオドラント剤の習慣的吸入により精神病様症状を呈し,入院治療を行った女性例を経験した。制汗剤の使用による精神病性障害の例は極めて珍しく,現代の依存・乱用の多様化を考察する上で有用であったため,若干の検討を加えて報告する。
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