Japanese
English
短報
精神症状を呈した右側頭葉クモ膜嚢胞の1症例
A Case of Arachnoid Cyst in Right Temporal Lobe Associated with Psychotic Symptoms
植田 尚樹
1
,
多田 幸司
1
,
野中 幸之助
1
,
後藤 多樹子
1
,
野上 芳美
1
Naoki Ueda
1
,
Koji Tada
1
,
Kounosuke Nonaka
1
,
Takiko Goto
1
,
Yoshimi Nogami
1
1日本大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Nihon University
キーワード:
Arachnoid cyst
,
Temporal lobe
,
MRI
,
Psychotic symptoms
Keyword:
Arachnoid cyst
,
Temporal lobe
,
MRI
,
Psychotic symptoms
pp.1021-1023
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903317
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クモ膜嚢胞は,髄液を満たした良性の腫瘤で,クモ膜によって取り囲まれ,クモ膜下腔に存在する。好発部位はSylvius裂,中頭蓋窩底部,大槽,四丘大槽などである2)。我々は,当初うつ病と診断されその後幻視,幻聴,被害関係妄想,記銘力障害,抑うつ気分などの症状を呈し,MRI検査において右側頭葉下部にクモ膜嚢胞を認めた症例を経験した。近年,画像診断の進歩に伴って無症状のクモ膜嚢胞が発見される機会が多くなっているが,精神症状を呈する症例は稀であると考えられている。また,本症例の診断に際し,通常のCT,脳波検査で障害部位の正確な同定が困難であったなど臨床上重要と思われる経験をしたため,ここに報告する。
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