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1999年9月9,10日の両日,上記学会が北海道大学医学部精神医学講座小山司教授のもと,北海道大学学術交流会館などにおいて開催された。本学会が1981年(昭和56年)に精神科国際診断基準研究会としてスタートして,今や足かけ19年を経たことになる。当初は,DSMシステムやICDシステムといったいわゆる国際疾病分類および診断基準の日本における適応可能性を検討するグループであったが,1990年秋にWPAや日本精神神経学会などと共催する形で精神科診断に関する国際会議を主催したことをきっかけにして,1991年の第11回集会より現在の学会名になった。精神科診断学の重要性を中心に据えた学術発表が徐々に蓄積されるようになり,今回の第19回は同分野において極めて実り多い会合であった。
まず,精神科診断学にとって基本的なテーマである「診断の一致率の考え方と計算方法」(北村俊則氏,国立精神・神経センター)および「PANSS(陽性・陰性症状評価尺度)の使用法」(藤井康男・宮田量治氏,山梨県立北病院)が,オーバーヘッドや面接ビデオを利用して演習を含みながらティーチングセミナーとして持たれたことは,若手の研究者だけでなく参加した精神科医の多くにとって,有用な企画であったに違いない。最近,多数の学会が何らかの形で教育プログラムを準備するようになったが,同学会は早い時期から,一般に繁用されている評価尺度(Hamilton Depression Scale,BPRSなど)の利用法や,研究論文の読み方,信頼性データの解析法などのプログラムが計画されてきた。このように,口頃からの具体的な疑問を細部にわたって,指導者と討議しながら結論を得ていくという方法は教育的にも重要であろう。
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