動き
「第97回日本精神神経学会総会」印象記
保坂 隆
1
1東海大学医学部精神科
pp.918-919
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902484
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第97回日本精神神経学会総会が「心の医学・医療:新ステージ」を基本テーマとして,2001年5月17〜19日の3日間,武田雅俊(大阪大学医学部)会長・小池淳(小池診療所)副会長のもとで行われた。今回の総会は,21世紀の最初の日本精神神経学会という重要な役割を担っていたが,その期待に十分応えられる充実した内容であった。
本総会は「包括的・学際的・国際的」(篠崎和弘事務局長)という特色を見事に演出していた総会であったというのが第1印象であった。まず「包括的」と言った理由は,たとえば本総会の12題のシンポジウムがそれを象徴している。すなわち,12題のテーマを列挙すると「精神医学教育―臨床研修の必修化に向けて」「認知科学の最近の知見」「老年期精神医学の医療・看護・介護福祉の統合」「海外から見た日本の精神医療」「地域生活支援の充実―精神障害者ケアガイドラインをめぐって」「21世紀の精神科医療―機能分化とその条件」「未来医療における精神医学への期待」「WPA関連シンポジウム―Needs and Resources:Postgraduate Education for Psychiatrists」「精神科臨床における画像診断」「刑事司法における精神障害者の現状」「薬物・精神療法の新ステージ」「ゲノムサイエンスと精神医学」などである。ここからもわかるように,本総会のシンポジウムは,精神医学教育・生物学的精神医学・診断と治療・介護と福祉・近未来的な精神医学,などBio-Psycho-Socio-Ethicalのすべてを包括していた。
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