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English
特集 うつ病のニューロモデュレーション治療の新展開
うつ病への磁気けいれん療法(MST)
Magnetic Seizure Therapy(MST) for Depression
鬼頭 伸輔
1,2
Shinsuke Kito
1,2
1国立精神・神経医療研究センター病院
2東京慈恵会医科大学精神医学講座
1National Center Hospital, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
2Department of Psychiatry, Jikei University School of Medicine
キーワード:
うつ病
,
depression
,
反復経頭蓋磁気刺激療法
,
repetitive transcranial magnetic stimulation
,
rTMS
,
磁気けいれん療法
,
magnetic seizure therapy
,
MST
,
電気けいれん療法
,
electroconvulsive therapy
,
ECT
Keyword:
うつ病
,
depression
,
反復経頭蓋磁気刺激療法
,
repetitive transcranial magnetic stimulation
,
rTMS
,
磁気けいれん療法
,
magnetic seizure therapy
,
MST
,
電気けいれん療法
,
electroconvulsive therapy
,
ECT
pp.1797-1803
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206513
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抄録 磁気けいれん療法(MST)は,反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を応用した新しい治療技術である。電気けいれん療法(ECT)とMSTは,どちらもけいれん療法であり,静脈麻酔薬,筋弛緩薬などの前処置が必要である。現在までに複数の臨床試験,メタ解析が実施され,MSTとECTの有効性および認知機能の比較検証が行われてきた。概して,抗うつ効果は同等であり,MSTでは発作後の回復が早く,認知機能障害が少ないとされる。これらの知見は,ECTと比較し,MSTのけいれん発作がより限局した領域に作用するためと考えられる。一方,MSTの刺激頻度,刺激時間,刺激回数などの標準化は,今後の課題である。MSTの国内導入にあたっては,日本人を対象とした有効性,安全性の検証を行った上で導入されるべきである。
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