Japanese
English
研究と報告
クリニカルパスによる急性期統合失調症治療―BPRSと薬物療法などの解析
The Treatment of Schizophrenic Patients in Acute Phase by Clinical Pathways: Multi-analysis of BPRS, drug treatment and other factors
橋本 喜次郎
1
Kijiro HASHIMOTO
1
1独立法人国立病院機構肥前精神医療センター
1Center for Emotional and Behavioral Disorders, National Hizen Hospital
キーワード:
Clinical pathways
,
BPRS
,
Schizophrenia in acute phase
,
Drug response
Keyword:
Clinical pathways
,
BPRS
,
Schizophrenia in acute phase
,
Drug response
pp.701-707
発行日 2004年7月15日
Published Date 2004/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100515
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抄録
3か月のクリニカルパス(以下パス)を治療に用いた急性期統合失調症患者の解析を通して,急性期治療におけるパスの意義,退院予測性,至適薬物療法などを検討した。
パス適用者を一定の条件で成功群と不成功群に定義した。パス適用33例は,成功群18例と不成功群15例に分けられ,入院期間の平均はおのおの60.4日と132.7日であった。両群は,入院時並びに退院時においてもBPRSの総計点で有意差はなかったが,入院2週目と4週目で成功群が有意に改善していた。処方解析では,入院と退院の両時点で処方量に差は認められなかったが,最大処方量で不成功群は有意に量が多く,処方の変更率でも成功群に比し有意に高かった。
上記の背景には,患者個々の薬物への反応性の違いが示唆された。また,急性期統合失調症の治療では,入院2週目のBPRS改善率が入院期間を予測する客観的指標に成り得ることが示唆され,3か月の標準的な入院期間以外に,別期間の設定プランが必要と考えられた。
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