Japanese
English
特集 精神医学における臨床研究のすゝめ—わが国で行われたさまざまな精神医学臨床研究を参考にして
後方視的観察研究のポイント:連続症例研究
Points to Consider When Conducting Retrospective Observational Study
井藤 佳恵
1
Kae Ito
1
1東京都健康長寿医療センター研究所福祉と生活ケア研究チーム
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Research Team for Human Care, Tokyo, Japan
キーワード:
後方視的観察研究
,
retrospective observational study
,
高齢者困難事例
,
complex cases of older people
,
地域保健
,
community health
,
ディオゲネス症候群
,
Diogenes syndrome
Keyword:
後方視的観察研究
,
retrospective observational study
,
高齢者困難事例
,
complex cases of older people
,
地域保健
,
community health
,
ディオゲネス症候群
,
Diogenes syndrome
pp.47-54
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206824
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抄録
後方視的観察研究の最大のデメリットは,データ収集の段階で研究がデザインされていないことである。そのため,必要な項目が抜けていたり,臨床データの場合は担当医によって収集されたデータの質・量ともに不均一ということが往々にしてある。また,長期間のデータを扱う場合,研究期間中に診断基準が変わっていたり,診療科の運営方針が変わって患者背景が不均一になることもあるだろう。
一方,後方視的観察研究の大きなメリットは,すでに蓄積されているデータを解析するため,効率がよいことである。また,研究フィールドやコホートを維持するための費用がかからない。研究予算の確保は常に大きな課題であり,低予算で実施可能であることは,後方視的研究の非常に大きなメリットと考えられる。
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