Japanese
English
特集 認知症診療の新潮流—近未来の認知症診療に向けて
自動運転時代の認知症の人の自動車の利用
Dementia and Driving in the Near Future
上村 直人
1
Naoto Kamimura
1
1高知大学医学部神経精神科学講座
1Department of Neuropsychiatry, Kochi Medical School, Kochi University, Kochi, Japan
キーワード:
認知症
,
dementia
,
自動車運転
,
driving
,
自動運転
,
auto-drive
,
近未来
,
near-future
,
権利と社会システム
,
rights and the social system
Keyword:
認知症
,
dementia
,
自動車運転
,
driving
,
自動運転
,
auto-drive
,
近未来
,
near-future
,
権利と社会システム
,
rights and the social system
pp.909-918
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206680
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抄録 認知症の人の運転は2002年よりわが国においてはすでに実質禁止され,以降わが国では高齢者の事故対策を中心にさまざまな法的対応が整備されている。同時に近年自動運転や安全運転サポート車(サポカー)など科学技術の発展によりさまざまな機器支援の開発がなされ,2022年度からは事故経験者では疾患に関係なく,実車評価が導入されようとしている。一方,認知症の人や認知機能低下を来している人でも技術革新により自動運転が可能となり得る時代となりつつある。しかしながら認知症あるいは認知機能低下と自動車運転,事故予測,事故予防の問題は,医学的検討という観点からは十分な検討がなされているとは言いがたく,認知症という状態像で運転の可否が判断されているのが現状であるが,今後の著しい技術革新により自動運転の時代を迎える近未来が実現しそうである。そこで今回,認知症や認知機能低下を来した人の自動運転を実現するために克服すべき課題や,健常高齢者への応用の可能性への期待と課題について述べた。
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